猿面Draculaの植え替え作業が今月から始まり、ようやく最終段階に入っています。対象となるDraculaは、これまでの70種380株ほどと、これに先月預かったエクアドルの分を含め総数で400株を上回ります。下写真1の株数で約320株程です。今回古い株で2年半ぶりとなる植え替えを行ったのですが、9割以上の株で花茎が出ており、そのほとんどは植え込み材の中に埋もれて伸長していました。Draculaは花茎が鉢の上面に出るものは1割もなく、根と同じ下に向かって伸びて行く特性であることを改めて実感しました。このためこれまではスリット入りプラスチック深鉢で栽培していたため8割以上の株の花芽は植え込み材の中で枯れていたことになります。Draculaにとって通常の素焼き鉢やプラスチック鉢は育成には問題は無いものの花を観賞するためには全く適しません。
こうしたことから今回の植え替えに当たって、全ての株を側面全体に穴の空いた穴鉢に植え付けようと鉢の選択をしました。しかし8cm以上のプラスチック穴鉢はいずれも野暮ったいデザインで気に入らず、いろいろとネットで穴鉢に代用できる素材を探し出しそれに手を加えた鉢を工夫することにしました。栽培株数が少なければ木製バスケットが最適ですが、400個のバスケットともなるとスペース、コスト共に現実的ではありません。Draculaの花茎は上部・下部・側面とあらゆる方向に延び、立ち性や下垂性もあることから全面が花茎にとっては解放状態でなくてはなりません。 しかし穴が空いていれば良いと言った機能性だけでなく、それなりの見栄えや汚れが経年変化で目立たないことも重要です。
下写真2は今回用いたDracula用の鉢です。左は市販のメタルリングで鈎手が付いており吊り下げることが出来ます。驚くことにこの8cm内径のメタルリングは100円です。100円ショップで見つけたものです。これに別途裁断したトリカルネットを入れて(写真中央)、ここにミズゴケとクリプトモスミックスで植え付けたDraculaを植え込み(写真右側)ます。Draculaは左からDracula chestertonii、Dracula vampira、Dracula vespertilio です。このメタルリングに植え込む前に、写真1のようにメタルリングと同じ径のプラスチック鉢にそれぞれの株をミズゴケ・クリプトモスミックスで仮植えし、2日程置いて形を円筒形に整えた後に鉢から抜き取り、メタルリングに移し替え(はめ込み)ます。これをクール温室内に吊り下げることになります。400株ほどあるため大変な作業ですが、1年後はDraculaの展示会ができるほどになることを期待しての植え付けです。これらDraculaの販売は6月頃から開始予定です。気温が上がる時期となるため秋までは温室を訪問される方のみの販売となります。
写真1
写真2