昨年末から今年にかけてマレーシアより入手したスラウェシ島生息とされる2種類のデンドロビウムspが現在開花しています。写真1-6がそれぞれの花と株です。上段はDen. endertiiに似た花形状をもつDen. spで、Calcarifera節と思われます。これまでDen. endertiiはボルネオ島標高1,000m – 1,500mの生息種とされ生息範囲が比較的限られた地域であるにもかかわらず画像検索では他に類をみないほどの多様なフォームにこの種名が付けられており形状が定まっていません。下写真のリップ中央弁やSpurの形状、またカラーフォームに関して部分的に類似する花は多いものの全体として一致する画像は現時点では見られません。Den. endertiiがボルネオ島固有種とすれば、本種がスラウェシ島生息種とされる点からは新種とも考えられます。
一方、写真4-6はDen. sororiumと思われます。Den. sororiumはスラウエシ島標高650m – 1,300mの生息種とされます。しかし写真4-6の種はソロモン諸島からの株であり、こちらも前記同様にDen. sororiumがソロモン諸島に生息する記録はこれまでありません。情報によればこれら2種はほぼ同一地点での生息とされます。一般論としてランの生息分布について南下説を考えればスラウェシ島とソロモン諸島に生息している同一種が、その中間に位置するニューギニアでの記録がないのは不思議で、今後ニューギニアにおいても生息が確認される可能性があります。
写真1-3のDen. sp(endertii-like)は当サイトと同一のインドネシアサプライヤーから得たC. Stanley氏が東京ドームラン展会場に出品しており、この環境において8日間開花し続けていたことを考えるとかなり環境変化に強く花寿命も長いのではないかと思われます。一方で写真4-6のDen. sororiumは2-3日の短命花です。しかし12月入手以来、3ヶ月間で同一株に2回の開花が見られたことから短命花によく見られる通年での開花回数は多いようです。植え付けはいずれもバーク、ゼオライト、軽石(あるいは焼赤玉)と、ミズゴケクリプトモスミックスの2種類の植え込み材で様子を見ながら栽培をしています。いずれもネットからはマーケット情報がなく、国内初登場ではないかと思われます。





