フィリピンルソン島Pangasinan州の標高1,200mに生息する本種は生息域が狭いためか数が少なく野生栽培株の入手はフィリピンラン展においても困難です。現在マーケットで見られる本種はほとんどが実生とのことです。野生栽培株は10年前から5-6年間入荷していましたが、最後に纏まって200株程を入手した後は、中温室にてそれらの栽培を続けています。サンシャインや東京ドームラン展には毎回5株程出品しており人気のある完売種の一つです。マーケットでの実生種は3-4,000円程度であるのに対し、野生株と思われる本種はAsiatic greenが現在150米ドル、約16,000円で販売しており、Vanda属としては最も高額な種で、それだけ野生株の入手は困難になりつつあるようです。
本種は同じフィリピン生息のVanda sanderianaと同様に、根を植え込み材で覆うポット植えは適さず、これまで木製バスケットに植え付け、下垂する根は空中にそのまま垂らしていました。毎年5月から7月初旬まで温室の一角が白い花で溢れる程の開花を続けています。しかし中温室の夏季は遮光率の高いネットで常時覆われるため輝度が不足気味になることと、高温室と異なり中温である分、湿度が低く根周辺の湿度不足のためか、やや入荷時に比べ痩せた様態が見られ、先週から現在の全株120株程を細長い杉板あるいは炭化コルクに植え替えました。根を板につけてミズゴケで根を覆うのではなく(水分過多となるため)、薄くミズゴケを敷いた上に根を置く取り付け法です。また輝度不足はLEDで補うことにしました。今後は液肥を定期的に与え株を太らせる計画です。下写真は植え替えが終わった多数のVanda javieraeです。こうした植え付けは育成用で、販売品は見栄えも考慮し再び木製バスケットに植えつけての出荷となります。
本種はしばしばリップ側弁に赤褐色のラインが入るVanda barnesiiと比較されます。本サイトで栽培している半数もVanda barnesiiですが果たして別種とするほどの違いなのか、本サイトではJavieraeの変種として栽培しています。現在はラインの無い薄緑色の側弁種(写真1)の方がVanda barnesiiに比べてはるかに入手難となっています。来年のサンシャインラン展には例年通り5株ほど出品する予定です。



