蟻の巣玉を3年前から毎回ラン展に3種ほど、それぞれ2-3株と僅かですが出品しています。その中でミンダナオ島のマングローブ帯の木に着生するHydnophytum formicarumは、ネット検索すると手のひらに乗る程の小さなサイズで10,000円もする高価な種です。当サイトが出品しているのは塊根の直径が25cm程の巨大な株です。価格は、本種を良く知る人からのアドバイスを受け30,000円としました。この高価格で昨年に続き今年も売れ切れです。当サイトにとってラン展出品の中でこの価格に匹敵できるランはクラスター株を除いてありません。ランを販売する当サイトにとってラン以外の属種は本道ではない(よく知らない)こともあり、並の株サイズには興味がなく、蟻の巣玉や蟻シダについてフィリピンラン園にはこれ以上大きなサイズはないと思う程の株を集めるようにと難しい注文を出しており、浜松に集まる本属はいずれもバスケットボール並みのサイズとなっています。
浜松の栽培では当然蟻は住みついていませんが、ラン同様のタイミングで同じ液肥を葉と塊根に与えているだけで元気です。その株が多数の枝に小さな赤い実を年中付けているのですが、不思議なことに本種を取り扱い始めて3年間、花を見たことがありませんでした。温室に来られるラン趣味家の方々から赤い実を見てどんな花が咲くのかとよく質問されるのですが、逆に花が咲かないのになぜ実が付くのでしょうねと答えていました。ところが数か月前に本種を温室内のランの植付け作業場所近くに移動したことで目につくこともあり、今月に入り初めてその花を見ることが出来ました。その大きな塊根に似合わず2mm程の何とも白い小さな花が枝の節々に点々と開花していました。おそらく蟻の巣玉愛好家は良くご存知とは思いますが栽培したことのない人はまず花を見たことはないであろうと、下にその画像を載せてみました。ネットで本種の花画像を探したのですが数百の画像の中で1点のみでした。その花の細部はCanonEOS60mmマクロレンズの最接写でどうにか撮れるほどの小ささです。



