Dracula属については、昨年末から炭化コルク付けで成長具合を観察してきました。順調な成長が見られることから総株数約300株をコルク付けに順次移し替えています。メタルリングのミズゴケ・クリプトモス7:3植えでもよく成長しましたが、出荷の不便さ(花茎の保護)のための変更です。栽培温度を15-20℃程度とし根を常に湿った状態に保てればラン属の中では最も強い属種の一つで良く増殖します。しかしこの栽培温度が問題で、その多くが標高2,000m級の高山植物であり、それ相当の環境つくりが必要になります。当サイトの低温室では13-24℃としており、一般家庭用エアコンの設定可能な最低温度が15℃であることから、特に2,000m以上の高山生息種は、エアコン近くに置いています。最低温度を13℃以下にしないのは他の低-中温タイプも同居しているためで、ドラキュラのいる温室にも拘わらず、浜松において外気温が10℃を下回る12月中旬以降は暖房が入るようになっています。
Draculaはその猿面フォーム故に人気があるものの、ふと気づいたことにこの顔を接写した画像は余りなく、栽培している者しかなかなか撮影できないのではと現在開花中のDracula severaとDracula diana xanthinaに近づき写真を撮りました。下写真1, 2がそれらで接写もそれなりに迫力があります。花には花言葉と云うものがありますが、さてDraculaにはどんな表現が適切でしょうか?写真3は植え替え中のDracula gigas xanthina、Dracula gigas rayo de sol、Dracula diana xanthira、Dracula olmosiiなど、いずれもマーケットではDracula属の中ではかなり高額な品種です。
炭化コルクのサイズは30cmx9cmです。気づかれた方もおられると思いますが、バルボフィラムや胡蝶蘭と異なり株のコルク上の取り付け位置をやや中央にしています。Draculaはリゾームを一方向に伸ばし縦長に成長する以上に、短いリゾームから多数の成長芽が出ることで狭い範囲内で株が増えます。このためバルボフィラムのような長い伸びしろは不要で、しかし根を常に湿った状態にする目的でコルクサイズを小さくするのではなくミズゴケ面積は多くしていることと、今回はメタルリンクからの移し替えで、根が多数繁殖していたためコルクの下半分にそれらの根を納めたためです。写真3の左からそれぞれ2株分は、コルクに移し替える前は1株であり、これを3-4株に分けた2株分です。これらも2-3年でそれぞれ2-4倍程になると思います。


