Dendrobium tobaense

 今年5月に1年ぶりに入荷したDen. tobaenseが新芽を伸ばし、10株ほどで蕾を付けています。最近は中温タイプのDen. tobaenseDen. toppiorumは全て炭化コルクへの取り付けです。これは、通常かん水は1-2日に一回ですが、コルク上に置くミズゴケの量で保水量は容易に決まり、根腐れを招く過かん水の状態を避けられると共に、通年でかん水量は一定で気にする必要が無いためです。ミズゴケに保水された水分は蒸散し乾いていきますが、重要な点は、かん水時の濡れた状態から気相のある湿った状態に早く移行し、如何にその状態を長く維持できるかどうかです。

 板状に敷かれたミズゴケは過剰な保水性(量)はないものの蒸散が早く、乾湿の変化は鉢に比べて急速となる欠点があります。 一方、鉢ではミズゴケは筒状に詰められており、保水性は高く蒸散はゆっくりと進む反面、鉢の中心部は長時間濡れた状態が続き、植え替え時にしばしば見られるように中心部の根は枯れ、新根は中心部には向かわず、鉢の内部側面に張り付きます。

 板状支持材の欠点を軽減するには、かん水時に一時的ではあるもののミズゴケに過剰に保留された水分を支持材が吸水し、その後は、ミズゴケからの蒸散による乾燥に対し、ゆっくりと吸水した水分を放出し長くミズゴケを湿った状態にすることです。支持材がそうした調湿機能をもつには多孔質性(水分を吸収する多数の微細な穴)が必要となります。炭化コルクにはこうした多孔性があり調湿機能があるとされていますが、どれほどのものなのかは今後調査する予定です。最近では経験値(かん水から次のかん水までの湿り具合)からミズゴケの量を決めており、今春の植え付けからは、根元周りのミズゴケの量はほぼ炭化コルクの厚み相当となっています。これはかなり厚く根の周りを覆っていることになります。この厚みは栽培環境の乾湿に大きく依存し不変的なものではありません。それぞれ炭化コルクを使用される方は自らの栽培場所で、かん水から次のかん水の間のミズゴケの湿り具合をチェックし、ミズゴケがカサカサに乾く状態がなく常に湿気のある状態になるようなミズゴケの量を決めることが最善です。下写真1は7日現在の炭化コルク付けDen. tobaenseの一部で、写真2は発生したばかりの蕾です。以降の写真は9株それぞれの新芽発生状況です。

写真1 Dendrobium tobaense
写真2 Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense
Dendrobium tobaense