今年5月に入荷したボルネオ島低地生息のFormosae節Den. ovipostriferumが複数株で蕾を付けています。本種は当サイトに見られるように1茎当たり5-6cmサイズの花が2-5輪同時開花し、白いセパル・ペタルにオレンジ色のリップが鮮やかで見応えがあるデンドロビウムです。別名Den. takahashiiとも呼ばれています。種名検索ではしばしばDen. deareiの花画像が誤って表示されることもあります。
本種にはリップがオレンジ色と黄色の2系統があるようです。下写真1-6にそれらを示します。写真1, 4が花正面、写真2, 5はリップ、写真3, 6は側面です。写真1-3は10年前に、当時原種を扱っていたインドネシアSimanisから30株ほどを入荷した株の花です。そのロットからは1株のみ前記リンクサイトの画像にある黄色いリップフォームが現れました。写真4-6はマレーシア経由で5月に入荷した株で7月末に開花した花です。5月入荷ロットでの初花は別株で6月に開花し、その月の歳月記にリップ先端がややスリムな花を紹介しました。現在、4株ほどに蕾が見られ1週間程で開花すると思います。
写真7は花フォームを比較した画像で、左は写真1-3の花、中央が6月歳月記の花、右が写真4-6の花です。それぞれリップを切り離して撮影しています。それらの形状やカラーフォーム比較からペタルの形状が左は卵形で、5月入荷株の中央と右は楕円形であること、また蕊柱とspur基部が左と中央は赤く、右は赤味がなくリップの黄色と合わせてaureaフォームのようです。こうした違いは地域差あるいは個体差によるものかどうか、今後の開花を待って調べる予定です。写真8の株写真は、6月の画像がバーク・ゼオライトミックスのスリット入りポット植えでしたので炭化コルク(35㎝x10㎝x3㎝)植えもあることを示したものです。5月入荷株はこの2つの植え付け方法でそれぞれの株を観察しているところです。現在は入荷から2ヶ月半ですが、バーク・ゼオライトポット植付けの半数に新芽が出ています。本種は10年以上栽培を続けていることからFormosae節としては、Den. tobaenseやDen. toppiorumと比べて丈夫な種であり、またSpatulata節と並ぶ2ヶ月間程の長寿命開花種でもあり、大株にして多輪花が得られれば展示会出品には最適なデンドロビウムの一つと思います。







