Dendrobium datinconnieaeとDendrobium serena-alexianum ? (punbatuense)

 Den. datinconnieaeDen. serena-alexianum.は、いずれもボルネオ島低地丘陵地帯の生息で前者がJ. Wood & C.Chan氏らにより2010年登録申請、後者が2008年登録された新種です。しかしこの両種は多様な、似て非なる花フォームと形状から同種(シノニム)あるいは別種の可能性についての議論があり、ネットでの花画像検索でも両者が入り乱れ纏りがありません。そこで今回、現地マーケットから、それぞれの種名で入荷した株の浜松温室での開花に伴い、その花フォームを比較してみました。写真1-3はDen. serena-alexianumとされる3つの花フォームで、写真4-6は写真1-3と同じ花のSpur(後方に伸びた突起部)です。また写真7-8はDen. datinconnieaeの花と写真9はそのSpurとなります。

 画像から幾つかの興味ある特徴が見えてきます。まず写真1-3 Den. serena-alexianumの花のリップはその外縁が上向きで、リップ先端は上方に反っています。一方、写真7-8のDen. datinconnieaeのリップ外縁はそれとは反対に下方に反っています。 またDen. serena-alexianumのグループのSpurは写真4, 5は細長く似ていますが、写真6はその先端まで太くやや短かい形状で、一方Den. datinconnieaeは短く細い形状となっています。Calcarifera節は同種同ロット内であってもセパルペタルのラインに視覚的な有無が見られることがあり、写真1,2は同種と思いますが、写真3のSupr形状の相違は違和感があり、リップの斑点と合わせ別種の可能性があります。またDen. datinconnieaeと写真1-6グループとはリップ外縁や斑点様態とSpur形状が異なっていることから別種と思われます。

 両者の疑似バルブ、葉形状および花序形態、また開花期には両種に違いは無く、花サイズはDen. datinconnieaeが2.5cm、Den. serena-alexianumが3.0cmとされるものの、それぞれの株毎に比較すると、環境依存の生育範囲と思われる様態も多々見られます。一方、開花から枯れるまでの花色の微妙な変化など他の類似点を合わせ、これらはごく近い近縁種と思われます。

写真1 Den. serena-alexianum? (Den. punbatuense)
写真2 Den. serena-alexianum? (Den. punbatuense)
写真3 Den. serena-alexianum? (Den. punbatuense)
写真4 Den. serena-alexianum? (Den. punbatuense)
写真5 Den. serena-alexianum? (Den. punbatuense)
写真6 Den. serena-alexianum? (Den. punbatuense)
写真7 Den. datinconnieae
写真8 Den. datinconnieae
写真9 Den. datinconnieae