Dendrobium hosei

 花画像と伴に2016年末にマレーシアよりDen. nabawanense名の株を入荷しました。しかしそれまで栽培していたDen. nabawanenseの花と酷似するものの微妙に様態が異なることから、その入荷株について亜種か変種ではないかと2016年10-12月の歳月記で取り上げました。2年余りを経過した今月に入り、植え替えの時期を迎え、これまで開花毎に撮影した画像を整理し調べたところ、この入荷種はDen. hoseiであることが分かりました。

 Den. nabawanenseとの違いは2点あり、一つはDen. nabawanenseのリップ側弁の外縁は山なりに変化しているのに対し、Den. hoseiの側弁はフック(鉤)のような形状をもつことです。これはorchidspecies.comにも指摘されていたのですが、園主からの画像では撮影角度のために鉤状には見えず判断ができませんでした。他の一つはDen. nabawanenseの疑似バルブ(茎)は1m程の長さまで伸長し下垂するのですが、Den. hoseiは30 – 50cm止まりで立ち性であることです。これらの相違点から本種の同定に至りました。下写真左は今回木製バスケットから炭化コルクに移植したDen. hoseiで中央は浜松にて撮影の花画像です。リップ側弁の鉤型の形状が分かるかと思います。右花写真はDen. nabawanenseで側弁の縁は滑らかです。

 そこで国内マーケットでは両者が正しく区別されているか調べたのですがDen. hoseiがネット検索でヒットしません。Den. nabawanenseはボルネオ島固有種、またDen. hoseiはマレーシア、ボルネオ島、ニューギニア低地生息種で中 – 高温タイプとされます。これら2種はボルネオ島生息株としてマレーシアから入手したのですが、昨年3月の歳月記に記載しましたDen. hoseiの株から2株ほどニューギニア生息のDen. baeuerleniiが出現したことから、このDen. hoseiはニューギニア生息の可能性が大きくなりました。ちなみにhoseiとはシンガポールの英国人司教名Hose由来とのことです。

Den. hosei
Den. hosei
Den. nabawaense