Phalaenipsis sanderianaの歳比べ

 入荷時に高温タイプのPhal. sanderianaが中温タイプのPhal. philippinensisの中に混ざっていたものの、そのまま中温室にて栽培を続けていました。通常Phal. sanderianaの花寿命は30-40日です。しかし今回、その開花からすでに70日経っても枯れる様子がありません。交配種胡蝶蘭では出荷調整のため栽培温度を制御して開花時期をずらしたり、花寿命を延ばす処理は知られていますが、原種も同じ性質かと思いつつも、1ヶ月おきに撮影した画像を見て、短命花種の開花から枯れるまでの拙速さ比べ、そのゆったりとした形状変化に興味が湧きました。見方にも寄りますが、開花直後のふっくらと丸みのある若い花姿が、やがて徐々に引き締まって形を完成させ、次第に皺が現れ始める様子は、人と何ら変わらないではないかと感心してしまいます。下写真は順に7月24日、8月28日、9月30日の撮影です。こうした花姿を知ると、店頭で開花しているPhalaenopsis節(Phal. amabilis, aphrodite, schillerianaなど)の花を見て、店員に開花してからの日数を尋ねることなく、おおかた分かるようにもなります。

写真1 July 24
写真2 Aug. 28
写真3 Sept. 30

Bulbophyllum inunctumとBulbbophyllum membranifolium

 現在、Bulb. inunctumBulb. membranifoliumが開花しています。いずれも生息標高範囲は広く、高い方では2,000m級に及ぶそうです。入手した際には果たして高温から低温のいずれのタイプか、入荷元に確認しなくてはならない種の一つで、栽培でどうも上手くいかないと云った場合の原因の一つは栽培温度が適切でない可能性があります。写真1は両者を並べて29日に撮影したもので、左がBulb. inunctum、右下がBulb. membranifoliumです。いずれもその生息地の違い故か、同一種の中にもそれぞれに個性があり、写真2及び写真3はBulb. inunctumでのフォームの違いを示したものです。現地マーケットでは徐々に低地生息域が減少し、高地産に移っており、生息地情報が不明の場合は、比較的涼しい場所での栽培から始めた方が良いと思われます。

写真1 Bulb. inunctum(left),.membranifolium(right)
写真2 Bulb. inunctum
写真3 Bulb. inunctum