種名が決まった新種のBulbophyllum sp

 2016年10月に本サイトが入手したBulb. sp (Sarawak yellow)と、同年12月のBulb. sp (obovatifolium red) が今年のドイツ・ジャーナルOrchideen 2018 Vol. 4_9とOrchideen 2018 Vol.6_5にそれぞれ新種として発表されました。種名はBulb. isabellinumBulb. irianaeです。同誌によるとBulb. isabellinumはボルネオ島Kalimantan標高100mに生息、2015年1月に発見とされ、さらに栽培での開花は2017年10月と記載されています。本サイトで扱った同種はKalimantanではなくSarawakで歳月記には2017年2月に最初の開花を掲載しておりジャーナルに書かれた時期より8か月ほど先行していたことになります。一方、Bullb. irianaeはパプアニューギニア標高300mに生息、2018年の命名となります。本サイトでは2017年7月にBulbophyllum obovatifolium redとして開花画像を掲載しました。

 写真1, 2がこれまでBulb. sp Sarawak yellowと仮称していた新種名Bulb. isabellinum、写真3,4はBulb. obovatifolium redと仮称していたBulb. irianaeです。写真2, 4は現在の栽培状態を示しBulb. isabellinumは昨年から今年のサンシャインや東京ドームラン展に出品し販売を行いました。その時点と比べると、葉はかなりしっかりと大きくなっており、花写真に見られるようにCirrhopetalumrらしく当初の2-3輪から6輪と開花数も増えました。一方、Bulb. irianaeは人気もあり8割方が趣味家に渡りました。通常売れ残り株は訳あり株のため適時廃棄するのですが、最近はこうした見捨てられている1-2バルブ株を捨てるのも忍び難く、根張りの良いバーク(米松)木片に移し替え、寄植えの大株に仕立てています。写真4がその一つです。

 本サイトではしばしば記載しているように現在、バルボフィラムやデンドロビウムなど、spをかなり栽培しており、特にフィリピンPalawanやMindanao、またニューギニアなど多くのspが開花待ちの状態です。ジャーナル発表前に当サイトが新種を公開するのも変ですが、情報社会における世界同時性は未知のランの供給も同じで、ネットを通して生息国サプライヤーと直結することで、むしろ分類学者や研究者よりも、趣味家の方が先行して新種を入手する可能性も高くなり、今後は一層こうした事例が増えると思われます。

写真1Bulb. isabellinum
写真2 Bulb. isabellinum
写真3 Bulb. irianae
写真4 Bulb. irianae