真冬は通常、ランの植え替えは控える期間ですが、8,000株程のランを栽培しているとそのような余裕は無く、やむなく季節に拘わらず年中植え替え作業をせざるを得ません。植え替えは現在7割が炭化コルク付け、残りがポット植えとバスケットとなります。ポットは最近はほぼ全てがスリット入りプラスチック鉢を使用しています。これは素焼き鉢は再利用ができないこと、重量があるため積み重ね梱包が困難なこと、産業用ごみとして陶器はコストが上がることなどで敬遠しています。
下写真は1週間ほど前に植え替えを行ったデンドロビウムです。写真1は手前がDen. officinaleで、現在マーケットに見られる株は、ほとんどが漢方薬用として改良された種のメリクロンですが、写真は野生栽培株で2018年入手したものです。現在30株程栽培中です。奥はデンドロビウムではなくRestrepiaです。写真2はDen. deleoniiとDen. annemariaeです。歳月記2019年4月のページ最後に取り上げたデンドロビウムで、いずれも2018年登録のミンダナオ島生息の新種で、植え付けから1年半も経たないうちの植付替えです。植込み材を含め、これまでの栽培環境が適切であったかを根を見て評価するためです。これらは写真のポット植えと炭化コルクの2種類の栽培で、温度は昼間30℃を越えても良いが夜間は20℃を下回るようにするとした環境です。エアコンあるいは山上げによって夏期の夜間温度を低めにできれば、至って丈夫なデンドロビウムです。昨年のサンシャインおよび東京ドームラン展に出品しました。1月現在、数株に蕾が見られます。現地のラン園によると現在入手は困難で、当サイトへ出荷した以降は入手ができないそうです。
写真3はDen. corallorhizonで、ボルネオ島1,300mの雲霧林生息種です。本種名をネットで参照したところ、当サイトの画像が頻繁に見られ、また国内のマーケットを見ても当サイト以外流通が無いことから、現在希少性が高い可能性があるのではと、これまで中温室の薄暗い片隅に2年以上置いていたものを、さっそく取り出して植え替え、明るい場所にと待遇改善をしたものです。手に負えない程の数を栽培していため、新種、希少性、人気度などの優先順位をつけての植え替えを余儀なくされています。


