15日現在、20株程あるDen. tobaenseの半数が蕾を付けており、来週から10月1週目にかけて開花が始まります。浜松温室でのDen. tobaenseは年2回開花し、一方Den. toppiorumは5月入荷で6月から今日まで4-5輪が途絶えることなく順次開花しています。いずれもスマトラ島北部Ache州の生息です。orchidspecies.comのサイトではDen. tobaenseの生息地をボルネオ島Sabahとしていますが間違いと思います。30年近くラン原種を扱っているマレーシアラン園園主も本種のボルネオ生息はこれまで聞いたことがないとのことです。またリップが黄色のDen. toppiorumもボルネオ島Sabahとありますが、現在は生息地がパームヤシ・プランテーションですでに絶滅しているとマレーシアの趣味家から聞きました。確かにこれまで4年間ボルネオ島生息種を注文してきたのですが入荷はありません。
これらの栽培では昨年から鉢植えを止め、ヘゴ板あるいは炭化コルクにミズゴケで根を覆った植え付けをしており、通年でミズゴケが湿った状態を保つ管理をしています。また中温栽培として冬期夏期に関わらず最低平均温度を15℃以下にはしないことで、冬季にかん水を控えると云った対応は一切しておらす、かん水量は通年で同じです。これで作落ちや枯れる株はありません。もともとこれらの種の生息地の標高は1,000m程ですが赤道に近い熱帯常緑季節林であり、また熱帯モンスーン気候としての2ヶ月程の乾期があるものの、この乾期とは熱帯雨林の降雨量に対する相対的表現であって、東京の6月雨季の降雨量167mmよりも多く、また通年で最低平均温度は20℃±2℃です。言い換えればそもそも生息地には冬季はなく、またCAM植物としての生理的な休眠期間もありません。よってこうした最低平均温度が保たれた温室栽培である限り、かん水を控え株周辺を乾燥気味にすることは、CAM植物として夜間に呼吸を行う際に株の体内組織から水分を奪うことになり、逆効果であり成長を阻害します。
下写真は蕾を付けたDen. tobaenseとDen. toppiorumをそれぞれ9株示したものです。Den. tobaenseの新芽発生状況は今月本サイトで取り上げました。Den. tobaenseおよびDen. toppiorumいずれも今年5月入荷株であり、2ヶ月の順化期間を待たずDen. toppiorumは6月から開花を始めていますが、Den. tobaenseは今回が入荷後初めての開花となります。写真は18枚いずれも15日の撮影です。

















