Dendrobium punbatuense

 7月の歳月記に、Den. serena-alexianum名で入荷したデンドロビウムがDen. punbatuenseのミスラベルの可能性があることを取り上げましたが今月、3年近く前にDen. sarawakense名で入荷した株が開花し、調べたところこれも前記同様のDen. punbatuenseであることが分かりました。Den. punbatuenseは2008年Malesian Orchid Journalに掲載され、ボルネオ島Sabah州および南Kalimantan Meratus山周辺の標高400 – 1,000mに生息の高温タイプとされます。しかし2年間に渡って、2回もミスラベルで入荷した種としては偶然なのか、また果たして入手難な種であるかどうかは分かりませんが、ネット検索での国内での本種情報は当サイトのみで、また海外においてもマーケット情報(本種名とPriceで検索)が見当たりません。

 入荷時は開花確認後に販売予定であったため10株を杉板に取り付け中温室にて栽培をしていました。2年以上経過したため半年前に炭化コルクに植え替えたところ今月2株で開花しました。Den. sarawakenseは低 – 中温タイプで立ち性である一方、本種は高温タイプで下垂性(正しくは半立ち性)です。このため、これまでの中温室では栽培温度が低すぎて2年以上も開花がなく、それが今回の猛暑で3℃程温室の平均温度が上がったため開花したのかと。今度は吊り下げタイプとして3度目の植え替えを行い、同時に高温室に移動しました。これまでの観察では、落葉した茎(疑似バルブ)に花茎が発生することが特徴で、多数の細い根がしっかりとコルクに活着しており、Calcarifera節で丈夫な種です。下写真が今回の画像で、リップ基部にカルス突起が見えます。植え替えによる2ヶ月間程の順化期間が終われば7月の歳月記に取り上げた種と同様に3,000 – 3,500円で販売予定です。

写真1 Dendrobium punbatuense
写真2 Dendrobium punbatuense
写真3 Dendrobium punbatuense