現在2008年頃からの画像を整理し纏めようと取り組んでいます。その中で、会津若松での知人の温室でデンドロビウムスパチュラータの周りを飛び回っている多数のハチがおり、よく見ると日本ミツバチでした。面白いため撮影し2012年の歳月記に掲載しました。現在歳月記は2013年からとなってそれ以前の歳月記は未掲載のため、この画像を再度取り上げました。ハチの背中の黄色い点のようなものが花粉魂です。
2012年10月歳月記の記事から抜粋:
会津若松では最低温度が4℃となり、まもなく霜情報が出る時期となりました。11月に入ると晴日はぐっと減り、如何に温室を明るくするかが毎年の課題です。今月はPhal. hieroglyphicaとPhal. fasciataの開花最盛期となっており、一方でphal. bellinaも良く咲いています。
昨日、Dendrobiumを1,500株ほど栽培している友人の温室を訪問しました。そこで日本ミツバチがDen. albertesiiで受粉をしている光景を見たので写真を撮りました。この日本ミツバチとインドネシア生息のデンドロビウムの組み合わせが驚きで、Den. albertesiiは比較的強い匂いがあり、確かに果物のような匂いと言えばそうかも知れません。Dendrobiumはspurと言われる後部に突出した袋があり、ここに蜜を貯めると言われていますので蜂はこれが目的と思われます。
下に写真を掲載します。写真は左から右の順序で時間が経過しています。蜂の頭部寄りの背に黄色い花粉痕がついているのが分かります。







胡蝶蘭の受粉風景でないのが残念ですが、今だ胡蝶蘭については何を目的に昆虫(おそらく蜂やアブ)がやってくるのかを研究した文献等が見当たりません。まず胡蝶蘭には食用としての粉のような花粉はなく、硬い花粉魂ですので花粉を求めて訪れるとは思えません。
匂いはあるものとないものがあり、匂いが胡蝶蘭全体の共通した誘引物質なのかどうかも疑問です。Paphiopedilumは匂いと形状だそうです。色はこれだけ多種多様であると他の花と区別をする目的であっても、give and takeの要素ではなさそうです。蜜の可能性も低く、残るのは擬態とホルモンですが、擬態はPhal. appendiculataのようにリップが風で前後に揺れる品種はそれも有りかなと思われますが、こちらも全体で見れば形状はかなり異なり決定的とは言い難く、特殊な物質、すなわちリップのカルス辺りにその分泌物があり、これを前足で引っ掻いてオスが足の袋に取り込み、それに唾液に混ぜることでメスを誘引するフェロモンを生成すると言う仕組みです。しかし一部の南米のランでその驚くべき生態が発見されているものの胡蝶蘭でどうかと言えば、これも研究が見当たりません。今後の研究に期待したいと思います。