Bulb. inunctumが現在開花中です。本種は主にボルネオ島とマレー半島生息とされており、フィリピンにも生息するものの、orchidspecies.comには記載されていません。これはフィリピンでの発見が近年(W. Suarez氏の画像記録は2007年)であったためと思います。当サイトでは昨年フィリピンからBulb. glebulosumとの株を20株程入荷しましたが、これが全てミスラベルでBulb. inunctumでした。同じAurora州の生息のため取り扱いを誤ったと思われます。バルボフィラムとしては花サイズが12cmと大きく、またマレーシア種は、セパルペタルのベースが淡いピンク色にベリー色のラインのあるフォームに対し、フィリピン種は下写真のようにベースが黄色で赤茶色のラインやドットが入り、それぞれの色合いは、かなり異なります。フィリピン種はバルボフィラムの中ではその色とサイズから、よく目立つ存在です。生息域は標高500mで高温タイプです。
orchidspecies.comのシノニム項によると、4年前(2015年)にBulb. inunctumはBulb. membraniforiumの亜種に位置付けされたようです。そこで3週間ほど前に開花していたBulb. membraniforiumも写真3に示しました。ペタルとラテラルセパルの形状がBulb. inunctumとはかなり異なりますがリップはよく似ています。しかし写真1と写真3が亜種の関係とするのであれば、歳月記4月末尾に取り上げたDen. deleoniとDen. annemariaeの、両者の違いを見分けることが困難な程の形状差にも拘わらず別種とした判断には甚だ疑問で、 その程度の差であっても別種とすることを是とするのであれば、むしろ下写真1と写真3は亜種の関係ではなく別種の方が分かり易いと思えるのですが。こうした似た者同士の分類には人為分類ではなく生体分子分類法が必要と感じます。
一方、Bulb. membraniforiumで画像をネット検索すると、Bulb. maculosumを含めこれら3種がBulb. membraniforium名でごちゃ混ぜ状態で、あまりにひどいのでBulb. maculosum(本種は歳月記7月末尾に記載)も写真4に掲載しました。バルブの太さ形状はBulb. membraniforium >Bulb. inunctum > Bulb. maculosumとなります。花サイズは下写真からは分かりませんが、Bulb. inunctumは12cm、他は3-4cm程とされ、圧倒的にBulb. inunctumが大きいことがorchidspecies.comの記載となっています。これはペタルが、下写真1,2に見られるように後ろに反った状態ではなく、開花後2-3日以内の反り始める前の左右に一直線に開いた状態時のペタルスパンの長さを表したものです。このような開花から日が経つとペタルが後ろに反る性質はDen. tobaenseやBulb. nitidumも同じです。当サイトでは下写真3種を今年の東京ドームやサンシャインで出品し、4バルブ1,500円から、35cm炭化コルク付けの10バルブほどの株は3,000円で販売しました。



