その後のBulbophyllum spの一つ

 昨年の2月の歳月記でフィリピンからのBulb. cornutumに似たBulbophyllum spを紹介しましたが、Bulb. claptonenseに見られるリップの腺状突起(写真中央の黄色の部分)やラテラルセパルの形状など異なる点が多く、その後、同じフィリピンの生息種であるBulb. bataanenseにも似ていることが分かりました。orchidspecies.comの花の拡大写真(Flower Closeupページ)には全体としてカラーフォームはかなり異なるものの、リップ中央弁には下写真のような腺状突起のような黄色部分や微細な細毛も見られます。また下の中央写真では、こちらも拡大すると表皮の凹凸とともに微細な細毛があります。では結論としてこのspはBulb. bataanenseとなるのですが一方で、Cootes氏の著書にはBulb. bataanenseBulb. deareiの近縁種であるがペタルがreflex(後方に反る?)していない点と、リップには細毛は無い点でBulb. deareiとは異なると述べています。また同書のBulb. bataanense画像のラテラルセパルはBulb. deareiにしばしば見られるように前方水平方向に湾曲(持ち上がった状態)していますが下写真のラテラルセパルはorchidspecies.comの画像同様に上方には湾曲はしていません。

 この解説の相違や色フォームの違いが本種の同定を困難にしています。取り敢えず本種はBulb. bataanense complex あるいは bataanense spとしておきます。植え替え時期を迎えたためこれまでの杉皮板から右写真の炭化コルクに移しました。入手時から2-3バルブ伸長しました。