Phalaenopsis equestris MindanaoとIlocos

 ミンダナオ島からのPhal. equestrisの植付けが終わりました。Phal. equestrisはそのリップに多様なカラーフォームがあることで知られていますが、変種(var.)とされているのはフィリピン北西部Ilocos地域生息のPhal. equestris var. roseaのみで、他のalba、aureaおよびcyanochilaは分類上、変種ではなくフォームfmaとされています。Phal. equestris fma. cyanochilaはペタル・セパルは白色でリップ中央弁が金色から先端に向かって青に変化する2色のフォームをもち、その生息地詳細はJ. Cootes氏著書Philippine Native Orchid Speciesによると不明とされています。しかし本サイトのこれまでの入手経験ではミンダナオ島に限られており、排他的地域性が高い印象です。であればcyanochilaはrosea同様にフォームfmaではなく変種varと考えられます。現在市場でのPhal. equestrisの多様なリップカラーについて現地ラン園によれば20年以上の取り扱いでリップカラーが青色の野生株は一度だけ見たことがあるとのことで現在のカラーバリエーションは台湾での改良種とのことです。

 写真1, 2はミンダナオ島からのPhal. equestrisです。これまでミンダナオ島からの株は青紫単色フォームと写真2のようにcyanochilaフォームの2種類です。Phal. lueddemanniana同様にミンダナオ島からの入手は非常に困難で、これまでの10年間で数株の散発的な入荷はありましたが、ラン園には多数の株が栽培されており、纏まった入荷は今回が初めてです。昨年の入荷種はcyanochilaであり、同じルートであるため写真1の株はcyanochilaフォームの可能性が高いと思われます。写真3-5は今回ミンダナオ島生息種と共に入荷したIlocosからのroseaです。本サイトではミンダナオ島生息種はヘゴ板やコルクに、Ilocos生息種はポット植えとしています。Ilocos産は葉が左右上向きに展開するのに対し、ミンダナオ島生息種の多くが下垂タイプの葉形状と花茎がIlocos産に比べて長い特徴があるためです。しかし自然界におけるroseaは大木に活着し、葉が下垂している(写真5 左)ことからも本来はヘゴ板やコルクが適しているのかも知れません。

写真1Phal. equestris Mindanao
写真2 Phal. equestris Mindanao
写真3 Phal. equestris var. rosea
写真4 Phal. equestris var. rosea
写真5 Phal. equestris var. rosea