Dendrobium chrysotoxum v. suavissimum

 ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム等に生息するDen. chrysotoxumは花茎当た4-5㎝サイズのオレンジ色の花を15輪程同時開花します。一般種はリップの基部がややダークオレンジとなっているのに対して、var. suavissimumは下写真に見られるように、くっきりとした円形の栗色の模様があります。今回20株をタイから入手し、植え付けが完了しました。下写真左は取り付け後の本種で、右の花写真はサプライヤーからのものです。本サイトでは平均して葉付バルブ4本で2,000円の販売となります。

 Den. palpebraeも同様ですが、当初本種についてはポット植えを準備していたのですが、入荷した株を見たところほとんどがこれまで垂直な平面に着生していたことが分かりました。すなわち全ての茎の基部が植え込み材の上に出るように配置すると茎は基部の成長方向に伸長しているため、水平置きのポット植えでは茎は横向きとなり、これを立てるようにすれば株元の大半を植え込み材の中に埋めることことになります。その結果、本種も炭化コルクへの植え付けとなりました。

 国内ではマーケットでの販売形態のほとんどがポット植えである反面、現地では野生栽培株は当然ですが、ポットに植えつけた株は実生からの栽培品を除きほとんど見かけません。特に胡蝶蘭の野生栽培株やバルボフィラムをポット植えで栽培している現地の趣味家はこれまで訪問した中で皆無です。日本ではランは限られたスペース内での温室栽培となる事情があり管理上ベンチ置きが多く、ヘゴ板やコルクは扱いにくくなります。一方、これまでの経験からポット植えから垂直面への取り付けに替えた結果、その多くでそれまでにない成長と同時に病害が激減しています。こうした背景と株や開花時の花の姿勢を極力自然の生息形態に合わせる目的で、ポット植え込みの4-5倍の作業時間を要するものの原種については垂直面での取り付けが主になっています。

 ヘゴやコルクへの植付けの問題点は乾燥が進みやすいことです。数日間出張等でかん水ができない場合、展示会で購入される方に説明している対処法は、その間やや大きな素焼き鉢となるものの、鉢にコルクを立てて入れ鉢の底部(コルクの下部)に適度にバークやクリプトモスなどを詰めてコルクを安定させ、ポット受けには少量の水を張ることを勧めています。これで浸透圧によりコルク下部は長期間濡れた状態か湿った状態となり高湿度を保つことが出来ます。本サイトでは通常時でも胡蝶蘭のPhal. appendiculataのような種には一部こうした手法を用いています。 

Den. chrysotoxum v. suavissimum
Den. chrysotoxum v. suavissimum