交配のその後

 先月Den. aurantiflammeum、Den. olivaceum、Phal. gigantea Sabah3種の開花を機に自家交配を行いましたが、その後の子房の膨らみを撮影してみました。Den. aurantiflammeumの花は一般サイズの1.5倍程のセパル・ペタル長で、Den. olivaceumは緑色のflavaフォーム、またPhal. giganteaはセパルペタルが薄黄色の、それぞれフォームに特徴のある花です。特にDen. aurantiflammeumは3年目にして、ようやく受粉に成功したようで子房が大きくなっています。Phal. giganteaの子房は驚くほど短期間で、すでに10㎝程に伸長しています。

 交配から4か月程は温度や湿度環境に細心の注意を払わなければならないことは先月に述べました。もう一つの注意はこれらの種では交配後数週間でペタルセパルが縮れ枯れてゆくのですが、その過程で枯れて黒ずんだ部位にカビが発生し、これが子房に侵入することでさく果が腐敗し落ちてしまうことが多く、そのカビの発生を抑える対策が必要となることです。本サイトではこの処理の適期を見計らいカビ系の病害防除用薬品(例えばトリフミン)を2000倍程に薄めてその部位に塗布しています。野生株の入手が困難になる現在にあって、特に希少フォームの入手の機会を得るのは難しく、こうした実生化は今後一層、避けれらないと考えます。

 希少種を栽培している趣味家の方も多いと思いますが、どんな植物でもいずれは枯れます。タネを栽培者から受けてフラスコ苗を生産受注する業者もいると聞きます。世界に数株しかない種から自身の手でタネを採り数百数千株にするのも面白いと思います。試してみてはどうでしょうか。出来たフラスコ苗をラン屋さんに売るのも一興です。自分で交配から無菌培養で苗作りまで挑戦したい方は富山氏著「ラン科植物のクローン増殖」に実生化の貴重な情報が詳細に記載されており、本サイトもこの著書から10年ほど前に勉強させてもらい、Paph. sanderianumなどのパフィオペディラムまで実生化が出来るようになりました。

Den. aurantiflammeum
Den. aurantiflammeum
Den. olivaceum
Den. olivaceum
Phal. gigantea Sabah
Phal. gigantea Sabah