Dendrobium thyrsiflorum sp

 1昨年、マレーシアのPutrajaya Floria Festivalで現地ラン園のブース内にDen. thysiflorum spのラベルが付いた、現地価格としてはかなり高価な株を見つけ、spとあるが一般種と何が違うのかと質問したところ、通常この種はセパル・ペタルが白色か、稀に全体が淡いピンク色であるが、この株は、セパル・ペタルの先端部が青味のあるピンク色をした希少なフォームであるとのことでした。

 Den. thyrsiflorumは中国、インド、ミャンマー、タイ、ベトナムの標高1,200m – 2,000mに生息する中温タイプのデンドロビウムです。多輪花で豪華な印象から市場性が高く、現在セパル・ペタルが白色の一般フォームであれば3-4本の疑似バルブサイズが1,500円程と安価です。一方、似た花でセパルペタル全体がピンクのフォームはネット上での多くがハイブリッドで、原種と思われる種は1-2画像しかなく市場情報もほとんどありません。

 そうした背景からspに興味が湧き、20茎からなる大株のspを持ち帰りました。当初、本種は高温環境でも開花するとの情報もあり胡蝶蘭温室で同居させていたのですが1年経っても開花する様子が無く、昨年10月に中温室に移動しました。今月に入りこの株が開花しました。下写真です。海外からの移植後初の開花のためか、色が薄いのですが確かにセパルペタルの先端部に青味のあるピンク色(写真2)が乗っています。先端部がベース色と異なるフォームをもつデンドロビウムは、本サイトでしばしば紹介しているDen. sp sumatraDen. sanguinolentumに見られるように環境条件によって濃度がしばしば変化します。環境に順化すればこのバイオレット色が濃くなるのではと次の開花に期待しています。

写真1 Den. thysiflorum pink sp
写真2 Den. thysiflorum pink sp