Bulbophyllum violaceolabellum

 本種は中国雲南省からラオスにかけて石灰岩質台地の疎林に生息する岩生および着生種で高温タイプです。これまでの国内マーケットでの価格はBulbophyllum属の中では高価であることから栽培難易度の高い種かと思いつつも先月30株程を入手し炭化コルクに取り付け、順化栽培に入りました。植え付けから1か月ほど経過しましたが、80%以上の株で新芽が現れ勢いよく成長しています。何が気に入ったのか分かりませんが、どう見ても弱弱しい種とは思えません。サンシャインらん展に本種も5株ほどを3,000円で出品しましたが3日程で完売しました。それぞれ1株が5バルブ程のサイズでした。この価格は下記の植付け手間と炭化コルク等の材料費を考えれば株単体の実質相当価格は2,500円以下となります。下写真1は先月中旬の植え付け直後、写真2以降は24日撮影の新芽の成長状態を示したものです。

 本種はBulb. blepharistesと同様に、仕入れ時にはそれぞれのバルブや葉がその他の種にはあまり見られない程に、いずれもあちこちを向いており植え付けには相当の技術が要求されます。下写真でバルブにワイヤーが巻かれていますが、これは1mm径の盆栽用アルミ線で、まさに盆栽で行われる”針金かけ”と同じ目的です。ランに”針金かけ”を行うのはBulb. blepharistesと共に本サイトとして今回初めてで、このような話も聞いたことがありません。この2種についてはポットであれ板付けであれ、一つのバルブの根を固定すると、他のバルブの根は反対あるいは横を向き、取り付け後の風景どころではありません。葉も輝度との関係から極力全ての葉の表面が一方向を向くようにしたいのですが、根と同様に上下左右を向いており定まりません。僅か5バルブ程が1本のリゾームで繋がった構成にも拘らず、なぜこれほどチグハグなのか、おそらく5㎝径ほどの枝に絡まっていたのでしょうがほとんどの株がそうとも思えず、どのような環境で成長してきたのか逆に興味が湧きます。そうした状態の中、まず根を板に付けることが最優先でそれを行った後、あちこちを向いたバルブや葉を針金をかけて引っ張り、バルブは板に極力垂直になるように全体を整形していきます。強すぎるとリゾームが折れてしまうため、針金をかける位置と張力の加減が難しく、一方、葉も互いに触れたり重ね合わないように起こします。そうして出来上がったのが下写真1の風景です。結局、これらの取付には一般種の4-5倍の時間がかかりました。 このようにバルブがあちらこちらに引っ張られながらも新芽が待っていたとばかりに次々に出て元気なのも不思議です。1mm径のアルミ線は半年ほどで切れ始めるためそれまでに根がある程度活着すれば、それなりの方向を向いて落着くと思います。

写真1 Bulbophyllum violaceolabellum
写真2 Bulbophyllum violaceolabellum
写真3 Bulbophyllum violaceolabellum
写真4 Bulbophyllum violaceolabellum
写真5 Bulbophyllum violaceolabellum
写真6 Bulbophyllum violaceolabellum
写真7 Bulbophyllum violaceolabellum
写真8 Bulbophyllum violaceolabellum
写真9 Bulbophyllum violaceolabellum
写真10 Bulbophyllum violaceolabellum